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高橋 史明; 山口 恭弘
Radioisotopes, 52(2), p.94 - 97, 2003/02
光子照射において、線量計校正用スラブファントムの材質が後方散乱線の発生に与える影響に関して解析した。連続エネルギーモンテカルロコードMCNP-4Bを用いた計算により、異なる材質からなる303015cmの寸法のファントム表面の散乱線を解析した。また、改良したMIRD-5型ファントムを用いた計算により、人体表面における線量を評価した。散乱線による線量値は、国際標準機関(ISO)が推奨する水ファントムの表面及び軟組織材ファントム表面の間で大きな差が見られなかった。一方で、PMMA材のスラブファントム表面の線量は、水または軟組織からなるファントムよりも高い値を示した。また、人体胴体部の表面においた線量計の応答値は、ISOファントム表面における線量計のものに近くなることがわかった。
中根 佳弘; 坂本 幸夫
Proceedings of 5th Specialists' Meeting on Shielding Aspects of Accelerators, Targets and Irradiation Facilities (SATIF-5), p.241 - 252, 2000/00
加速器施設の放射線安全設計に用いられる粒子輸送計算コードについて、線量評価の精度検証に適した実験値は極めて少なく、実験的な検証がほとんど行われていない現状にある。本研究では中高エネルギー中性子に対する線量評価の精度検証に有用な実験値を取得することを目的に、TIARAの40及び65MeV準単色中性子入射による平板ファントム内吸収線量分布を測定し、粒子輸送計算コードによる解析結果と比較した。また中性子束の計算精度を確認するため、U核分裂反応率分布も測定し、解析値と比較した。その結果、ファントムの最も深い位置で核分裂反応率及び吸収線量値は実験と比べて最大で33%及び18%の過大となったものの、そのほかではおおむね16%及び10%以内で実験値を再現できることを明らかにし、得られた実権値がベンチマーク問題として有用であることを示した。